久保田一道
茨城県教育委員会は、来年度に採用する教員の選考試験で、講師として学級担任を経験した人の筆記試験を免除する仕組みを導入する。中高に比べて志願倍率が低い小学校教諭の採用でとりいれ、受験者数を確保するのが狙い。
教育改革課によると、昨年実施された選考試験で、小学校教諭の志願倍率は2・53倍だった。中学校の4・65倍、高校の6・59倍と比較して低い傾向にある。
この状況を受け、小学校の採用については、選考試験の出願時に県内にある公立の小中学校や義務教育学校で学級担任をしていることなど、一定の要件を満たした人の1次試験を免除することにした。学校の業務のかたわら、試験の準備をしなければならない人の負担を減らす狙いもある。
県教委は、教員の確保に向け、教員免許を持っているものの教職に就いていない「ペーパーティーチャー」向けの取り組みにも力を入れる。今年1、2月にはこうした人を対象にした「教員再チャレンジ研修会」を土浦、水戸の両市で初めて開催した。
国は、教員免許に10年の期限を設け、講習を受けなければ失効する教員免許更新制を昨年廃止。免許の有効期限や更新講習がなくなり、ペーパーティーチャーを任用しやすくなった。
研修会では、こうした制度変更を踏まえた手続きや講師登録の方法、教員選考試験の日程などを説明するほか、現在教壇に立っている教員が仕事のやりがいを伝えた。(久保田一道)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル